あらすじ
言えなかった言葉が、ある。
「ありがとう」も。
「ごめんね」も。
「好きだった」も。
口にすれば、たった数文字。
それなのに、なぜか喉の奥で止まってしまう。
タイミングを逃して。
照れくささに負けて。
あるいは、もう二度と、渡す相手がいなくなって。
それでも、想いは消えない。
誰かがふと立ち止まってくれた、ほんの三十秒。
毎朝、当たり前のように差し出された弁当箱。
背中合わせのまま交わした、たったひとつの約束。
そのひとつひとつは、きっと小さすぎて、
本人でさえ気づかないまま、通り過ぎていく。
けれど、時間が経ってから振り返ると分かる。
あの一言が、あの沈黙が、あの手のぬくもりが。
確かに、誰かの人生を変えていたのだと。
これは、そんな物語たちです。
伝えられた言葉も。
伝えられなかった言葉も。
どちらも、等しく誰かの心に残っていく。
あなたにも、ひとつくらいあるかもしれません。
まだ、ちゃんと伝えられていない言葉が。
それでも、ちゃんと伝えたい。
その想いを胸に、どうぞ、ページをめくってみてください。
物語は、これからも少しずつ増えていきます。