あらすじ
前世で物理学を研究していた男は、異世界の子爵家の次男――ユリウス・ヴァルディエルとして生まれ変わった。
生まれたのは、魔術に恵まれないと周囲から侮られてきた家。
けれど、ユリウスが初めて目にした魔術は、彼にとって神秘でも奇跡でもなかった。
光が生まれる。物が動く。熱が伝わる。
現象として起きているのなら、そこにはきっと法則がある。
まだ言葉も満足に話せない頃から、ユリウスは魔術を観察し、仮説を立て、実験を始める。
やがて見えてきたのは、この世界で「才能」や「血統」として語られてきた魔術が、誰にもその仕組みを理解されないまま受け継がれているという事実だった。
ならば、解き明かせばいい。
誰もが確かめられ、再現できる理論として。
小さな実験から始まった探究は、やがて貴族だけが継承してきた血統魔術にまで届き、王国が信じてきた魔術の常識を揺るがしていく。
そして十五歳。
魔術に恵まれないと侮られてきた子爵家の少年は、ついに王立魔術学術院の教壇へ立つ。
これは、一人の物理博士が異世界の魔術を解き明かし、神秘を学問へと変えていく物語。
※毎日18:10更新予定です。
【カクヨム版について】
本作は、カクヨムにて開催された「カドカワBOOKS10周年記念長編コンテスト」で優秀賞を受賞した『Re:Physis──異世界に転生した物理博士の魔術改革』をもとに、大幅な再構成・改稿を行ったリブート作品です。
世界観や登場人物の核は共通していますが、物語の展開や設定には大きな違いがあります。
どちらか一方を「正史」とする意図はなく、それぞれ別の可能性としてお楽しみいただければ幸いです。
カドカワBOOKSより2026年11月発売予定。