あらすじ
魔獣大侵攻まで、あと十日。
王都では、百勇部隊の結成・聖武具授与式が開かれていた。
若き勇者アレンへ授けられるのは、百勇部隊の象徴となる《旗艦聖剣(フラッグシップ・セイバー)》。
その瞬間、一人の検査官が壇上へ飛び込んだ。
「その聖剣に、魔力を通さないでください!」
三級武具検査官ルノア。
検査業務を外されていた彼女は、小さな検査槌を聖剣へ振り下ろす。
返ってきたのは、澄み切った一音。
誰もが安心した、その一拍後。
聖剣の奥から、低く濁った第二音が響いた。
ルノアが下した判定は、《使用禁止》。
「この聖剣は、次に振れば折れます」
だが、その警告を退け、ルノアを罪人として扱ったのは、誰よりも信じていた師ゲイツだった。
なぜ、師はルノアの判定を認めないのか。
《製造ロットE-731》に隠された秘密と、それを手にする者たちを待つ運命とは――。
迫る大侵攻を前に、小さな検査槌が王国の希望へ《不合格》を告げる。
剣を振るう勇者ではなく、剣を止める検査官が主役の職業ファンタジー×サスペンス。
【完結済み】最後まで安心してお読みいただけます。