あらすじ
春を待つように、ずっと恋をしていた。
淡い花のように麗しく、どこか儚い侯爵令嬢サラには、幼い頃から決められた婚約者がいる。
でも、彼の隣にはいつも一人の女性がいた。
学院を離れても、季節が巡っても、それは変わらない。
騎士となった彼の隣には、やはり彼女がいた。
それでもいつかこちらを見てくれると信じていた。
いつか、この恋にも春が来るのだと。
どこか夢見がちで、恋に甘い憧れを抱いていた。
誰もが少しずつ愚かで。
少しずつ身勝手だった。
大切だったはずのものを、壊していく。
花が散ってしまってから、ようやくその春を惜しむほどに。