あらすじ
亡き親友が遺したノート。そこに書かれていたのは、途絶えた夏祭りの復活計画だった。何をやっても長続きしなかった少女が、たった一つの約束のために立ち上がる。
道東の小さな町・幌寒町(ほろさむちょう)に暮らす高校1年生の藤倉ゆりえは、何事に対しても熱量を持てず、部活も習い事も途中で投げ出してばかりの自分に、強いコンプレックスを抱いていた。
そんな彼女を唯一理解し、肯定してくれていた幼馴染の隅田瑠里が、冬に病で急逝してしまう。
ぽっかりと心に穴が空いた友里恵の手元に残されたのは、瑠里が遺した一冊の青い大学ノート。
そこには、過疎化により三十年前に中止となった幌寒川上流の地域の伝統行事『燈篭流し』を自分たちの手で復活させ、一緒に灯籠を流そうという、無謀とも言える計画が書き殴られていた。
一度は自分には無理だとノートを閉じたゆりえだったが、瑠里の夢を誰にも知られずに終わらせたくないと、最初の一歩を踏み出す。
大人たちからの冷ややかな視線、行政の手続きという厚い壁、そして本番前に襲いかかる予期せぬトラブル。
数々の困難に直面し、挫折しかける友里恵を支えたのは、同じ志を持つ同級生や、そしてかつてお祭りを支えていた地域の人々だった。
不器用な少女たちが、ひたむきな熱意で冷めきった町を動かし、幌寒川(ほろさむがわ)に一千個の温かい光を灯すまでの、再生と受け継がれる約束の物語。