あらすじ
大好きだったWeb小説『暁の勇者』。
その世界に転生した俺・レントは、よりにもよって物語の舞台から最も遠い――いや、ラスボスの魔王城から最も近い「最果ての村」に生まれてしまった。
しかも、原作開始はまだ十年以上先。
だったら、やることは一つ。
「推しに会いに行こう」
前世で何度も読み返した大好きな勇者カイン。
その仲間になる聖女リーゼと魔導師ノア。
まだ何者でもない、十二歳の彼らが。
これから世界を救う旅に出ることを、俺は知っている。
ならば。
腹を空かせる前に飯を食わせよう。
傷つく前に薬を渡そう。
死ぬはずの場面では、こっそり助けよう。
ただの一ファンとして。
誰にも知られず、推しの未来を守る。
――そのつもりだった。
ところが。
「最果ての村から、何かが南下している」
「Sランク魔獣が一撃で消えた」
「街道の魔物が、そいつの姿を見ただけで逃げ出した」
「……人間なのか?」
噂だけが、俺より先に街へ到着してしまった。
そして、ようやく出会えた推し本人から向けられた言葉は――
「あなたは……僕たちを、どうするつもりなんですか?」
……ん?
なんでそんな怯えた目をしてるんだ?
俺はただの村人だぞ?
これは、推しを全力で甘やかしたい最強村人と、
その善意を「恐ろしい試練」と勘違いする未来の勇者たちによる、
すれ違い系・異世界ロードムービー。