あらすじ
◆本作は、カドコミ漫画原作コンテストの応募要項に則り、話数5話、脚本形式で執筆した作品となります。
鬼ヶ島――そこは、人を襲う恐ろしい鬼たちの巣窟。
……などではない。
鬼の少年・朱羅は、家族や仲間たちと笑い合いながら、平和な毎日を送っていた。
そんなある日、一艘の舟が鬼ヶ島へとやってくる。
乗っていたのは、桃太郎を名乗る青年と、犬、猿、雉の妖たち。
「鬼退治に参りました」
あまりにも一方的な宣告とともに、朱羅たちの日常は蹂躙される。
父も、母も、妹も、仲間たちも守れない。
圧倒的な力を持つ桃太郎に挑んだ朱羅もまた、なすすべなく敗れ――。
次に目を覚ますと、そこには失ったはずの家族がいた。
壊されたはずの故郷があった。
そして日付は、桃太郎が鬼ヶ島へやってくる一年前に戻っていた。
なぜ自分は過去へ戻ったのか。
桃太郎とは何者なのか。
そんなことは、今は分からない。
分かっているのはただ一つ。
一年後、桃太郎は必ずやってくる。
ならば今度は、何も奪わせない。
強くなれ。仲間を集めろ。敵を知れ。
未来を知る鬼の少年による、一年間の逆襲が始まる。
これは鬼を退治する英雄の物語ではない。
鬼ヶ島に生きる少年たちが、桃太郎を迎え撃つ物語である。