あらすじ

クラウディア・ヴァレンシュタインは、騎士団の同期でいちばん速い。剣も馬術も首席。ただ、速すぎて仲間を置いていくのが怖い。 テオドール・アルトナーは総合7位。何をやらせてもそつがなく、目立つ役はほかの誰かに譲ってしまう。けれど本当は、強い加護を8つも持っている。家族を争いに巻き込まないため、そのことは家族にさえ隠していた。 そんな2人が、先の読めない仕事ばかり回ってくる第5騎士団で、ひとまず3度だけ組むことになった。 クラウディアは誰より早く現場へ着き、必要なら偉い相手にも正面からものを言う。テオドールは皆の荷物と帰り道を気にかけ、手の足りない仕事をいつの間にか引き受けている。並んで戦うだけなら、かなり相性がいい。 困るのは、テオドールが危ないことまで1人で抱え込むことだ。 消えた薬荷車、人でいっぱいの建国祭、入るたびに道が変わる遺跡、国境をまたぐ事件、閉ざされた町。2人は同期や先輩、職人、役人、土地の人たちと手を貸し合い、剣の強さだけではどうにもならない仕事に向き合っていく。 任務を重ねるうち、テオドールの秘密は少しずつ隠しきれなくなる。クラウディアが知りたいのは、加護の数だけではない。なぜ黙っていたのか。次も1人で決めるつもりなのか。自分にも一緒に考えさせてくれるのか。 秘密を話せば、それで分かり合えるわけではない。黙って守るだけでも、相手を守ったことにはならない。 いつまでも姓に「卿」をつけたまま、2人の距離だけが少しずつ変わっていく。強いのに1人ではうまくいかない2人と、その仲間たちの異世界騎士物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/01
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