あらすじ
浅桜優里恵は、学校では「優しくて、しっかりした、包容力のあるお姉さん」として知られている。
その評判のせいか、彼女には年下の男子から何度も告白が寄せられていた。
けれど、付き合い始めると話は変わる。
「こんなに手のかかる人だとは思わなかった」
「思っていた人と全然違う」
彼らが好きだったのは、本当の優里恵ではなく、勝手に作り上げた「理想のお姉ちゃん」だったのだ。
何度も期待され、何度も幻滅され、何度も振られた優里恵は、もう恋なんてしないと決めていた。
そんなある日、また一人の男子生徒――一年生の酒井真一から告白される。
断るために、優里恵はとっさに嘘をついた。
「私、好きな人がいるから……」
そして、思いつきで口にした名前は、弟・良助の友達である清水聡だった。
ところが。
なぜか聡本人と良助が、その場にいた。
嘘だと説明できなくなった優里恵は、勢いのまま聡に尋ねる。
「私と……付き合ってくれますか?」
すると聡は、あっさりと答えた。
「うん。いいですよ」
こうして、優里恵の「嘘から始まった恋人生活」が始まることになる。
けれど、聡はこれまでの男子とはどこか違っていた。
優里恵の噂や「理想のお姉ちゃん」という評判ではなく、少し抜けていて、意外と不器用で、悩みを抱えた一人の女の子として彼女を見ていた。
そして優里恵もまた、最初は嘘だったはずの関係の中で、少しずつ聡の優しさと本当の気持ちに触れていく。
嘘から始まった関係は、本物の恋へ変わるのか。
「私なんて誰も見てくれない」と思っていた少女が、本当の自分を受け入れてくれる相手と出会う、青春ラブコメディ。