あらすじ
国王ローゼンと王妃アリシアの娘、エレナ・クライゼンには、幼い頃から決められていた婚約者がいた。
父と母は今でも仲が良く、苦労の多かった兄エドガーも、最近では海洋国家の王女と幸せそうにしている。そんな家族を見て育ったエレナも、自分はいずれ婚約者と結婚し、同じように穏やかな幸せを手に入れるのだと思っていた。
けれど、その婚約は思っていたよりもずっと良くない形で終わってしまう。
王女であることを理由に気持ちを軽く扱われ、長く続いてきた関係を一方的に切り捨てられたエレナは、王宮へ戻ってから初めて涙を流した。
どうして自分だけ、うまくいかなかったのだろう。
そんな娘の婚約破棄を知った王家では、当然ながら少々――いや、かなりの騒ぎが起きることになるのだった。