あらすじ
――五十歳、バツイチ、特技は「人の話を聞くこと」だけ。
コンサル営業一筋のサラリーマン・田中誠二(50)は、離婚後の荒れた食生活の末、休日の自室で脳梗塞により死亡した。せめてもの救いは、誰にも迷惑をかけずに逝けたことくらい。
そんな誠二の魂を拾ったのは、ちゃぶ台で愚痴をこぼす、目の下にクマを作った激務系美人女神。曰く「魔法がありすぎて誰も技術を発展させない」「魔獣が強すぎて人がすぐ死ぬ」「同僚には嫌味言われるし上には詰められるし、もう限界」。
同情した誠二は、ささやかに「健康だけでいいです」とリクエストするも――話を最後まで聞かない女神により、不老不死+筋力オマケ付きの体を熱烈プレゼントされ、無理やり異世界へ送り出されてしまう。
セージと名を変えた誠二は、辺境の村で農作業に汗を流し、罠猟を改良し、薬草畑を再生させ、水路を直し、燻製肉を開発し――前世で培った「聞く力」と「地道な改善力」だけを武器に、頼まれてもいないのに人の悩みを見つけては、うんうん唸りながら勝手に解決してしまう。
そしてきまぐれに夢に現れる女神は、褒めたと思ったら次の瞬間には「あ、そうだ、隣の村にも困ってる人が……」と新しい無茶振りを追加してくる。予算も人手もないくせに、要求だけは一人前。
――お人よしすぎる不老不死おじさんの、終わらない「ついで仕事」世直し旅、開幕。
強くなりたいわけじゃない。ただ、困ってる人を、放っておけないだけなんです。