あらすじ
ルミナリア王国第一皇女、エリアーナ・ルミナリア。
六大精霊すべてと契約する『精霊使い』として生まれた彼女は、十四歳で戦場へ投入され、十五歳でその命を終えるはずだった。
国を守るためなら、それでいい。
自分の命ひとつで大切な人たちが生きられるなら――。
そう覚悟していたエリアーナの運命を、どうしても受け入れなかった男がいる。
八歳年上の専属護衛、ノクス・ルシアン。
「生きろ。俺と一緒に帰るぞ」
戦場では『鬼』と恐れられた騎士は、誰よりもエリアーナをひとりの少女として扱い、その手を決して離さなかった。
そして終焉戦争を生き抜いたエリアーナは、十六歳を迎える。
成人の儀。
ノクスとの正式な婚約。
戦争のない、新しい人生。
――ところが。
いざ平和になってみれば、二人には大きな問題が発覚した。
戦場で命を預け合い、同じ家へ帰り、食卓を囲み、同じ部屋で眠る。
互いを誰より大切に想い、もはや家族同然。
なのに――。
「……俺たち、恋人をすっ飛ばしてないか?」
「うむ?」
どうやら二人は、命を守ることに必死だったあまり、恋をする順番をどこかへ置き忘れてしまったらしい。
しかもエリアーナには、もうひとつ大きな悩みがあった。
王女にも、戦争英雄にも、ましてや女神にもなりたくない。
十五歳で終わるはずだった人生。
その先で、自分は何者になりたいのだろう。
これは、世界を救ったあとの物語。
生きる意味を探す十六歳の元・戦場の女神と、彼女を諦めなかった二十三歳の元・戦場の鬼。
恋人より先に家族になってしまった二人が、平和になった世界でもう一度、自分たちの人生と恋を始める物語。