あらすじ
監獄の中の恋心
突然、何者かに拉致された40歳の美穂。
目を覚ました彼女がいたのは、広大な監獄だった。
そこにいたのは、美穂以外に20人の男たち。
テロ組織は捕虜を閉じ込めているものの、人手不足のため監視は最低限。食事を運び、逃げ出さないよう見張るだけだった。
監獄の中で、捕虜たちはある程度自由に生活することができた。
最初は、生き残るために協力していた21人。
しかし、ただ一人の女性だった美穂に、男たちの視線が集まり始める。
優しく接する男。
美穂を守ろうとする男。
彼女を口説く男。
そして、彼女を独占しようとする男。
いつしか20人の男たちは、美穂を巡って嫉妬し、対立するようになる。
美穂はその状況に戸惑いながらも、心の奥では喜びを感じていた。
――私は、まだ女として求められている。
やがて「誰が美穂の恋人になるのか」を巡り、男たちの関係は崩壊していく。
ところが、監獄に新たな捕虜が連れてこられた。
そこにいたのは――20人の若い女性たち。
20代の彼女たちは、皆それぞれに美しく、そして驚くほど性格が良かった。
美穂にも優しく接してくれる。
だからこそ、美穂は彼女たちを憎むことができない。
そして気づく。
自分を見つめていた20人の男たちの視線が、少しずつ自分から離れていることに。
昨日まで自分を取り合っていた男たちが、今は若い女性たちの周りにいる。
「私じゃ……もうダメなの?」
かつて「選ぶ側」だった女が、初めて「選ばれない側」になる。
嫉妬、孤独、恋心、そして自尊心。
鉄格子よりも恐ろしいのは、自分自身の心だった。
これは、愛されることを求め続けた一人の女性が、監獄の中で自分自身と向き合う物語。