あらすじ
「もう、いいの?」
音もなく打ち込まれる文字の羅列がピタリと止まる。
「そう、わかった」
Enter。
画面に映る情報はもはや新たな世界を構築する『式』であり、これから終わり始まって行こうとする全てを『識す』もの。
『色覚』の書き換えはこの世界の住民の大多数が成し得ないこと。
だからこそ、あなた達二人を己から分離させた。
何よりも拒んで恐れたそれを行動に移しても後悔しないのは、きっとあなた達が優しさに満ち満ちていたから。
この隔たりを解くものを『弑気』そうあなたは呼ぶのでしょう、優しいから。
でもあなた達…あなたは、あなた自身から生まれた最も純粋な涙と共に、ここまで来た。
ならば私はそれを『志気』、いえ『示気』と名付けましょう。
これが、私があなたにできる最後のことかもしれません。
あなたが最後に、私に残してくれる言葉はなんでしょうか。
そんなことを想像しながら、これが幸せだと感じるんです。
だって答えはもう私ではなく、あなた自身が決めるのだから。