あらすじ
『琥珀の毒、深紅の褥(しとね)』
霧と煤煙に覆われた異国の都・ルードヴィヒスブルク。
触れるもの全てを琥珀色に結晶化させ死に至らしめる「琥珀の呪い」を宿し、「怪物」と恐れられて孤独に生きてきた日本人少女・陽(ひなた)。
孤独の淵で冷たい雨に凍える彼女の前に現れたのは、深紅の瞳を持つ真祖の吸血鬼・アルカードだった。
誰一人として触れることのできなかった陽の毒を、その身で受け止め、吸い上げるアルカード。永劫の孤独と過去の罪に苛まれてきた彼は、自らの生命と強大な「真祖の血」のすべてを陽に注ぎ込み、彼女の毒を浄化して救う代わりに、自身は消滅するという凄絶な「血の婚姻」を決意していた。
吸血鬼たちの支配者・カルミラや処刑人ヴィクターの残忍な陰謀が迫る中、深紅の褥(しとね)の上で二人の運命が重なり合う。
血と毒が混ざり合い、美しくも残酷な儀式を経て、少女は可憐な孤児から真祖の力を継ぐ「夜の女王」へと新生を遂げていく——。
永遠の愛と死、そして終わりのない飢え(Hunger)が織りなす、ゴシック・デカダンス・ホラーファンタジー。