あらすじ
魔法が止まり、教師は来ない。
王国統一資格試験の最中、十八人の受験生が森に取り残された。最新の身体強化も、魔力探知も、治癒診断も使えない。さらに、地下から魔力を喰う古い生物まで現れる。
頼れるのは、通常課題で中下位だった辺境分校の落ちこぼれ五人だけ。
彼らに才能はない。剣士志望は選択肢が増えると動けず、魔術師志望は大術式を続けられない。治癒師落ちは深い傷を塞げず、斥候志望は魔力を感じられず、技術職志望は急かされると文字を読み違える。
それでも五人には、五十代の実地教官グレンから教わったものがある。
人数を数える。退路を確保する。止血する。分からない欄は埋めない。できないことを別の手段で補う――才能がなくても、誰かが再現できる手順だ。
これは、落ちこぼれが隠れた才能に覚醒する物語ではない。
魔法文明が静かに低下していく時代に、欠点を残したまま人を生かす方法を学び、それを現場へ、社会へ、次の誰かへ渡していく、五人と一人の教官の物語。
全64話・完結済。
※カクヨム、アルファポリスにも掲載しています。