あらすじ

中国香港を舞台にした20代30代女性向け国際恋愛の短編小説。 前後編で完結する読み切り作品です。 29歳の日本人編集者・ミオは、次の昇進を受けるか決めきれないまま、三週間の休暇を使って香港・中環の短期滞在用アパートに暮らし始める。 滞在二日目の朝。坂の下へ向かおうとして、前日とは逆向きに動いているエスカレーターの前で立ち尽くしたミオは、近所に住む香港人のルーカスと出会う。 「十時二十分になれば、今度は上へ行く」 ただの交通ルールだったその時刻は、やがて二人にとって別の意味を持つようになる。 朝は歩いて坂を下り、夕方は同じエスカレーターで上へ帰る。途中で市場に寄り、大館の石段に座り、三つ目の乗り継ぎ区間で別れる。それが、いつしか二人だけの帰宅習慣になる。 しかしミオの滞在終了を目前に、ルーカスもまた、今の暮らしを変える決断をしていた。 最後の朝。十時二十分を前に、ミオは「道の向きが変わるまで待つ」のではなく、自分から彼のいる方向へ歩き出す。

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カクヨム
カクヨム2026/08/31
  • 現在の作品十時二十分、あなたのほうへ上る┃中国香港の国際恋愛短編小説