あらすじ

法的には、事故物件ではない。 東京の旧高級住宅街に建つ、敷地百二十坪の邸宅。 元建築家の御厨征一郎が半年前に書斎で病死し、 姪の佐和子が相続した。 高額な相続税と維持費を負担できない佐和子は、 邸宅の早期売却を望んでいた。 ところが、内覧予定が決まるたびに 不可解な事故が起こる。 「叔父が、この家を売るなと 言っているのかもしれません」 相談を受けたのは、 宅地建物取引士でありながら探偵業も営む、 久世間総一郎。 久世間は間取りより先に、住人の靴と玄関の傷を見る。 同行するリフォーム業者・荒金辰五郎は、人の顔ではなく、壁や柱や床板に残された異常を読む。 亡き征一郎は、なぜ土地の分割売却を拒み続けたのか。 遺言書に残された奇妙な一文は、何を意味するのか。 そして、内覧を妨げているのは本当に死者なのか。 家は何も語らない。 だが、人が暮らした痕跡は、嘘をつかない。 不動産仲介人兼探偵と、口の悪いリフォーム職人が、家に残された事情を読み解く職業ミステリー。

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カクヨム
カクヨム2026/08/31
  • 現在の作品『事故物件ではございません――久世間ホーム事件簿』