あらすじ
東京・神保町の小さな結婚相談所「灯縁ブライダル」で働く成婚アドバイザー、篠宮紗良。彼女は、会員の「まだ決められない」を失敗にしないことだけを信条にしている。
けれど支店の入口には、成婚率98%の大きな看板が掲げられていた。数字を守れなければ、本部に吸収される。
そこへ現れたのは、成婚率No.1の本部アドバイザー・黒川理央。紹介相手を三人に絞り、仮交際の期限を切り、迷う会員の背中を押す彼は、紗良の担当会員を「不成立」と赤く判定する。
「結婚は、決められない人を待つゲームじゃない」
「でも、決めさせた結婚を成婚とは呼びません」
二人は会員の恋を巡って、紹介相手、家族、支店の存続を賭けた壮絶な恋愛バトルへ踏み込んでいく。やがて、98%という数字が、成婚した人の数ではなく、成婚にできなかった人を休会扱いにして分母から外した結果だと知る。
会員を選ばせる仕事の中で、紗良と理央の距離も近づいていく。だが本部規定では、同じ案件を担当するアドバイザー同士の交際は利益相反で「不成立」。
誰かの結婚を成立させるほど、二人の恋だけが成立してはいけなくなる。