あらすじ
1997年の暮れから1998年の年明けにかけて、日本は静かな不安に包まれていた。
金融機関の破綻、少年事件の連続、街に漂う治安不安。
そして太平洋側を襲った記録的な大雪が、人々の足を止め、心までも閉じ込めていく。
千波との気まずい一件を抱えたまま、主人公は雪に救われるように身を潜める。
雪はすべてを覆い隠し、携帯電話の電波すら途切れさせ、関係を曖昧なまま凍らせていく。
年末年始のメール渋滞で連絡は届かず、主人公は静かに消えるように携帯の電源を落とした。
センター試験を目前に控え、再び机に向かう日々。
試験前日まで続いた大雪が嘘のように晴れた当日、主人公は上野に向かうが、
人の波に足がすくみ、試験会場を前にして立ち尽くしてしまうのであった。