あらすじ

熊本の郊外で、警察官の久世は一人の男に職務質問を行った。 自転車の防犯登録を確認し、身分証の提示を求める。 いつもなら、それだけで終わるはずだった。 しかし男は、免許証を裏返したまま問いかける。 「これは義務ですか?」 「あなたが本当に警察官だと、私はどう確認すればいいんですか?」 そして男は110番した。 警察官であることを確認するために。 その夜を境に、久世の周囲で小さな違和感が積み重なり始める。 なぜ、自分はこの仕事を選んだのか。 なぜ、理由もなく相容れない人間がいるのか。 なぜ、自分で選んだはずの人生には、これほど多くの「おすすめ」があったのか。 人間は合理性を求めながら、非合理に生きる。 AIはそんな人間を支援するため、社会のあらゆる場所へ浸透してきた。 少なくとも、人間はそう思っていた。 これは、世界を救う特別な二人の物語ではない。 膨大な人間の中の、たった一つの観測例。 n=1から始まる物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/31
  • 現在の作品警察官を110番した夜、世界の分類が揺らいだ。――ONNo./notNo.