あらすじ
## あらすじ
辺境の村を襲うゴブリンを退治するため、駆け出しの|宿無渡鳥《ワイルド・ギース》三人組は依頼を引き受けた。
戦士のアレクサンダー。
斥候のベネディクト。
修道士のシーザー。
だが、三人には遠距離攻撃の手段がない。
そこで仲間を募集したところ、名乗りを上げたのは、白いローブを着たひょろひょろの中年魔術師――ドレヴァンツだった。
「私、火炎弾しかまともに使えないんですよ」
どうやら初歩的な魔法しか使えないため、他のパーティから断られているらしい。
駆け出しの三人にとって、そんな魔術師でも十分ありがたい。
こうして四人は、ゴブリン退治へ向かうことになる。
ところが――。
森で襲いかかってきたゴブリンを、ドレヴァンツは肉体強化魔術による蹴りだけで瞬殺。
さらに大群のゴブリンを前にすると、唯一使えるという火炎弾を蹴り飛ばし――森ごと焼き払ってしまう。
しかも、その炎に巻き込まれたのは、後に世界を脅かすはずだったゴブリンたちまで。
結果として世界は救われた。
ただし。
討伐の証拠として残ったのは、最初に倒した三匹だけ。
報酬も三匹分。
そこでアレクサンダーはドレヴァンツに告げる。
「おっさんには、ゴブリン退治は役不足だ」
もちろん彼が言いたかったのは、
――あなたほどの実力者がゴブリン退治をするなんてもったいない。
という意味だった。
しかしドレヴァンツは、
――自分にはゴブリン退治すら務まらない。
と受け取ってしまう。
そして彼は決意する。
「私は、まだまだ弱い……!」
こうして世界最強クラスの魔術師は、さらなる高みを目指して山へ帰っていった。
本人だけが、自分を弱いと思ったまま。
これは、**自称・未熟な魔術師ドレヴァンツと、彼の実力をまったく理解できていない周囲の人々が織りなす、勘違い系最強コメディである。**