あらすじ

わたしは、楽器を持っていない。  あの人は、「酒はないか」としか言わない。  蒼南高等学校吹奏楽部、部員七人。昨年度は人数不足で、コンクールに申し込むことすらできなかった。  演奏する側に立てなかった牧瀬かおりが、姉妹校からマネージャーとして派遣されたのは、そんな部だった。  彼女が目をつけたのは、指先に弦楽器のタコがある大柄な新入生・宮本辰馬。楽器の経験を頑なに否定するその男は、しかし一度だけ触れたコントラバスから、この部が一度も出したことのない音を鳴らしてみせる。  入部は断る。理由は言わない。そして言葉に詰まるたび、「酒はないか」とだけ呟く。  やがて明かされる、彼が音楽から逃げ続けた理由。  そして現れる、彼を全国大会の一歩手前で退けた男。  部員九人、全パート一人ずつ。誰か一人が休めば、その音は消える。  目標は、県大会突破。たったそれだけが、途方もなく遠い。  男子校の弱小吹奏楽部を舞台にした、青春群像コメディ。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/31
  • 現在の作品やはり私の青春吹奏楽は間違っている。〜楽器を持たない私と、「酒はないか」しか言わない天才〜