あらすじ
異世界に行ってみたい。
高校二年生の佐伯悠真は、ずっとそんなことを考えていた。
剣と魔法。冒険者。遺跡。まだ見ぬ街。
いつかドラゴンだって見てみたい。
だから、本当に異世界で目を覚ましたとき――
困惑しながらも、少しだけわくわくしてしまった。
ただし。
魔法は使えない。
帰り方も分からない。
どういうわけか、自分の身体までおかしい。
そして森で出会ったのは、過去をほとんど覚えていない少女・ティルアだった。
名前は分かる。
言葉も話せる。
なのに、自分が何者なのかは分からない。
行くあてのない二人は、成り行きで冒険者たちと旅を始める。
魔法を覚えて。
遺跡に潜って。
馬車に揺られて知らない街へ行って。
面倒な依頼に巻き込まれて。
仲間と笑って、ときには別れて、また新しい誰かと出会う。
悠真が夢見ていたより、異世界はずっと広く、ずっと面白い。
そして――ずっと昔から、そこに存在していた。
なぜ古代文明は何度も途絶えたのか。
なぜ世界から魔法が失われた時代があるのか。
ティルアは何を忘れているのか。
なぜ悠真は、この身体で目覚めたのか。
小さな旅はやがて、国を越え、時代を越え、
誰も知らない世界の奥へと続いていく。
これは、異世界で冒険がしたかった一人の少年が、
たくさんの人と出会いながら、世界の果てまで歩いていく物語。