あらすじ
ゲーム《レグナクロニカ》の世界に転生した。
総プレイ時間、約2700時間。
攻略情報はもちろん、設定資料集まで読み込んだ俺にとって、そこは知り尽くした世界――のはずだった。
「東の村、初期イベントあるぞ!」
「隠し宝箱もう取られてる!」
「そこ最短ルートじゃない」
「……お前らも知ってんのかよ」
転生したのは、俺だけじゃなかった。
攻略Wiki編集者。
RTA勢。
考察厨。
対人ガチ勢。
生産職を極めた者。
この世界に放り込まれた百人全員が、《レグナクロニカ》のプレイヤーだった。
当然、ゲーム知識だけでは無双できない。
レアアイテムは早い者勝ち。
隠しイベントは奪い合い。
誰かが行動するたび、知っているはずの未来が変わっていく。
そんな中、俺に与えられた固有スキルは《余白》。
見えるのは、攻略Wikiにもゲーム本編にも載っていない――開発中に採用されなかった設定だった。
設定厨の俺。
攻略Wiki編集者。
RTA勢。
考察厨。
同じゲームを遊び尽くしたはずなのに、知っていることも、得意なこともまるで違う。
百人の廃プレイヤーが、本物になったゲーム世界を攻略する。
そして俺たちは、まだ知らない。
ここがもう、俺たちの知っている《レグナクロニカ》ではないことを。