あらすじ
冬刈りの葦を選び、十人一組の職人を動かし、雨漏りする家から順に屋根を葺いてきた令嬢エグレ。ところが領主家の家政を預かるボリスラフは、その働きを自分の差配として記録し、棟上げの宴から彼女だけを外してしまう。
仮婚約者の領主ヴラディミルにも見捨てられたと思い、最後に残った老女の家へ向かうエグレ。だが同じ夕刻を彼の側から見直した時、白布を掛けた空席と「その席は空けておけ」の意味は反転する。
住民が掲げる三十七枚の作業順札を証拠に、奪われた名と功績、婚約、そして帰る場所が公衆の前で選び直されるお話。