あらすじ

王立記録院で働くレオン・フェルナーの魔法《定録》は、自分が見聞きしたことを正確に紙へ記録するだけ。 敵を倒せるわけでも、人を治せるわけでもない。 しかも記録できるのは、自分が直接確かめたことだけ。 「役に立たない魔法」と扱われていたレオンは、上司から命じられた統計の改ざんを拒否したことで、西部辺境の資料保管所へ送られる。 そこで彼が見つけたのは、現在の地図には存在しない「ルテラ村」の戸籍簿だった。 十八年前。 住民、百三人。 廃村になった記録も、災害の記録も、住民が移住した記録もない。 それなのに、誰に聞いてもそんな村は知らないという。 さらに調査を進めたレオンは、自分自身が書いたはずの記録を発見する。 ――だが、それを書いた記憶がない。 村へ近づくほど失われていく記憶。 出生地の記録を持たない飛脚の少女ミレア。 十八年前に消息を絶った《定録》使いの大伯父。 人が忘れれば、その出来事は存在しなかったことになるのか。 誰も覚えていなくても、残された記録を辿れば確かめられることがある。 これは、忘れられた百三人の名前を取り戻すための、記録官の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/31
  • 現在の作品記録官レオンと地図にない村