あらすじ
千年前、魔王は討たれた。異形を生み、人々を苦しめ、最後には世界そのものを滅ぼそうとした魔王は、英雄たちの手によって倒された。そうして人類は救われた――はずだった。
それから千年。
魔王の残した呪いとされる「異形」は、今なお世界各地に現れ続けている。
イェレミア王国騎士団長、スタン・カルティエ。
民を守ることを己の務めと信じる彼は、各地で異形を討ち続ける若き聖騎士だった。
一方、王国の裏側では、白髪と赤い瞳を持つ暗殺者カガンが生きていた。
魔王の徴と忌み嫌われる容姿を持ち、法も騎士も届かない場所で刃を振るう男。
本来なら交わるはずのなかった二人は、ある異形討伐をきっかけに出会う。
触れた瞬間に重なる鼓動。
脳裏へ流れ込む、見知らぬ記憶。
そして、互いから離れるたびに起こり始める不可解な異変。
なぜ、千年前に滅びたはずの魔王の影が今なお世界に残り続けているのか。
なぜ異形は、人の言葉を口にするのか。
そしてなぜ、自分たちの胸は同じように脈打つのか。
答えを求めて旅をする二人は、やがて知ることになる。
英雄が魔王を倒したという歴史は、嘘ではなかった。
ただ、人々はひとつだけ知らなかったのだ。
魔王がなぜ、この世界に生まれたのかを。