あらすじ
人の体には、本人も知らないまま多くのウイルスが存在している。
医学研究者・雨宮慧は、人体に潜むウイルスを調べる中で、ある奇妙な相関に気づく。
仮称「HVV-23」。
多くの人が保有している、ごくありふれたはずのウイルス。
しかし、その保有者には暴力犯罪の記録がわずかに多く、さらにウイルス量が高いほど、その割合は上昇していた。
そして――殺人だけは、数字の動きが明らかに違った。
相関は、因果関係ではない。
ウイルスが人を犯罪に走らせるとは限らない。
そう分かっているからこそ、雨宮は慎重に研究を進めようとする。
同僚の研究者・篠原美生とともに、データの裏側を確かめようとしたその夜。
雨宮の研究端末に、正体不明のアクセス記録が残されていることが判明する。
誰が、何のために、この研究を見ていたのか。
医学、犯罪、そして人間の意思。
見えないウイルスを追う研究は、やがて雨宮自身を事件の中心へと引き込んでいく。
医学サスペンス×ミステリー。
「人はどこまで、自分の意思で生きているのか」を問う物語。