あらすじ
王都アルカディアの裏通り。
雨が降りしきる闇の中、
右腕を異形の肉体へと変貌させた少年・アッシュは、
追ってきた幼馴染のリィナに冷たく言い放つ。
「約束は死んだ。さようならだ、リィナ」
折れた銀の剣を投げ捨て、
自ら「悪者」となって暗闇へ消えていくアッシュ。
だが、立ち去る彼の脳裏を襲ったのは、
激痛と狂おしいほどの恐怖だった。
(君の……笑顔が……思い出せない……)
かつて、二人は小さな丘の上で約束を交わした。
「二人で一緒に、最高の騎士と魔法使いになろう」と。
養父から「守りたい場所から一歩も引くな」と教えられたアッシュは、
魔族の急襲からリィナを守るため、
戦場に刺さっていた【魔剣】を握りしめた。
しかし、その代償はあまりにも残酷だった。
力を振るうたび、アッシュの脳から「一番大切だった記憶」が
順番に喰われていく――。
冤罪によって『人類の敵』に仕立て上げられ、
愛する者たちを守るためにすべてを裏切った少年。
これは、失われていく眩しい過去の記憶を抱え、
たった一人で闇を駆けるダークファンタジー。