あらすじ

卒業式の日、相原蒼の名前だけが呼ばれなかった。 卒業生名簿に名前はなく、卒業証書も用意されていない。 クラスメイトは蒼の声に気づかず、その身体をすり抜けていく。 昨日まで確かに同じ教室で過ごしていたはずなのに、卒業式が進むほど、写真や出席記録からも蒼の存在が消えていた。 そんな蒼を覚えていたのは、三年間一緒に学校の七不思議を探してきた黒川栞だけ。 緑ヶ丘高校には、七不思議なのに六つしか語られていない怪談がある。 誰もいない音楽室で鳴る卒業行進曲。 肖像画から消える生徒。 場所が変わる十三段目。 名前を呼ぶ人体模型。 存在しない教室を映す鏡。 本を棚へ戻す透明な図書委員。 では、誰にも覚えてもらえない七つ目とは何なのか。 卒業式が終われば、蒼は完全に消える。 残された時間は、あと二時間。 蒼と栞は七不思議を巡り、自分たちが忘れてしまった三年間の約束と、蒼がこの学校に存在する本当の理由を探し始める。 これは、卒業できない誰かを送り出してきた七不思議が、たった一人の少女へ「行ってらっしゃい」を伝え、自分自身も卒業するまでの物語。

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小説を読もう2026/08/31
  • 現在の作品卒業式の日、学校の七不思議が一つ減る