あらすじ
手抜き普請で民を死なせた悪役領主アルヴィン。処刑を免れた代わりに押し付けられたのは、水面より低い泥の飛び地だった。その中身は、災害復旧ひと筋で殉職した現場監督のおっさんである。
目立てば潰される。俺はただ、水を抜き、道を均し、落ちない橋を架けて、静かに年貢を納めたいだけ。
ところが、いい道は勝手に使われる。渡しに三日待ちだった荷が半日で通り、廃れた旧街道に荷車の列ができ——気づけば、王都と国境を結ぶ兵站の急所が俺の橋の上にあった。
「その道を軍に寄越せ」と、今さら兵站総監が言ってくる。いいだろう、通してやる。ただし、うちの橋には重量制限がある。札のない車は通さない。
雪解けの増水が、どちらの橋が本物かを教えてくれる。