あらすじ
目覚めるたび、昨日が消えている——。
豪邸の一室で目覚めた男は、前向性健忘により一切の記憶を失っていた。
枕元の日記とポラロイド写真、そして献身的に世話を焼く美しき妻・真尋(まひろ)。
彼女の深い愛と、夜毎に繰り返される甘美で狂おしい交わりに溺れていく男だったが、ある朝、自らの太ももの裏に刻まれた見覚えのないメッセージを発見する。
『彼女を信じるな。薬を飲むな』
自らの筆跡で刻まれた警告。
鏡のない部屋、失われていく四肢の感覚、そして肌に残る無数の縫合痕。
消えゆく記憶の隙間で暴かれていく「蜜月」の真実と、逃れられない愛と解体の迷宮。