あらすじ
「もう来年からは、来ないでくれないか」最愛の恋人・光(ひかり)が世を去ってから、律儀にその実家を訪れ続けていた陸(りく)。
しかし、光の両親から告げられたのは、感謝ではなく、悲痛な拒絶の言葉だった。自分の行動が遺族を苦しめていた――。
絶望のなか、夜の歩道橋で一人、光との思い出の曲、玉置浩二の『メロディー』を口ずさむ陸の脳裏に、過酷な記憶が蘇る。
高校一年の夏の終わり。沈む西陽に染まる家庭科室で、陸は乱れた制服を必死に整える光と衝撃的な出会いを果たす。親を泣かせたくない一心で、過酷な現実を前に「誰にも言わないで」と懇願する、震える少女。
それが、二人の歪で、けれど生涯唯一となる恋の始まりだった。