あらすじ
【登場人物】
■陽与
鋭い洞察力を持ち、危機的状況でも常に冷静な女性。人が追い詰められたときに見せる反応を楽しむ、少々サディスティックな一面を持つ。
■丈二
何が起きても動じず、目の前の物事を一つずつ丁寧に処理する男性。自らの限界に挑戦することを好み、危険な状況でも冷静に突破口を探す。
【あらすじ】
山間の集落に伝わる奇妙な噂。
夕焼けが異様に赤く染まる日、存在しないはずの建物が空に現れる。
そして、その建物へ入った者は決まってこう言うという。
――月が出る前に逃げろ。
噂を確かめるため山を訪れた陽与と丈二は、夕焼けの中に浮かぶ謎の建物を発見する。
近づけないはずの建物。
閉ざされる出口。
地下の先に広がる、見知らぬ草原。
そこで二人が目にしたのは、丘の上に立つ白い馬の影だった。
白馬を追った先で、今度は正体不明の黒い影たちが二人を追跡し始める。
逃げても逃げても縮まる距離。
迫る月の出。
そして陽与は気づく。
自分たちは、本当に「追われている」のだろうか――。
夕焼けと満月の狭間で始まる、一夜限りの追跡と逃避。