あらすじ

深刻化する地球温暖化に対処するため、人類はラグランジュ点L1(地球と太陽の重力が釣り合う点)に巨大な宇宙鏡「ソーラー・ヴェール」を展開した。  太陽光をわずか1%遮ることで地球の気温上昇を抑えるこの「アルベド計画」の責任者コバルスカは、成功を喜びながらも、同僚の「太陽に勝った」という言葉にかすかな違和感を覚えていた。  数年後、研究者ハシミが、ヴェールの角度をわずかに変えるだけで特定地域の降水パターンを操作できることを発見。  この報告は各国政府に知れ渡り、ヴェールは地球温暖化防止のための道具から、地政学的な「支配」の道具へと変質していく。  国連の非公式会議では、大国がヴェールの制御権を巡って駆け引きを始め、世界は「G5連合」「赤道連盟」「アルクティク・ブロック」という三つの勢力に分裂した。  コバルスカは欧州議会でヴェールの危険性を証言し、中立機関への管理移管か解体かを訴えるが、政治的・経済的な理由で聞き入れられなかった。  無断での角度操作や偽装工作、旱魃をめぐる告発合戦が続き、緊張は臨界点に達した。  ついに軌道上と地上の双方で国際紛争が勃発。 「ヴェール戦争」と呼ばれるこの争いの中で、ヴェール自体が兵器に転用されたのだった。

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エブリスタ2026/08/30
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