あらすじ
赤ずきん。人魚姫。シンデレラ。白雪姫。眠れる森の美女。ヘンゼルとグレーテル。青ひげ。
誰もが知っている、七つの童話。
けれど――それらが子どもたちへ語られる「童話」になるより、遥か昔。
狼は肉ではなく《名》を喰らい、
海の娘は恋のためではなく、自分の《潮名》を求めて陸へ上がった。
灰かぶりの娘は灰の下に本当の名を隠し、
雪肌の姫は鏡に記録されたことで死を与えられ、
百年眠ったのは姫ひとりではなく、王国そのものだった。
パン屑の消えた森では、子どもたちが互いの名を呼び、
開けてはならない部屋では、歴史から消された花嫁たちの記録が眠っている。
これは、童話を書き換える物語ではない。
後の世で童話と呼ばれることになる、
正史にも神話にも残らなかった物語の《残響》。
語り部リラ=ファブラが拾い集めた、
忘れられた七つの夜の記録。
――物語は、終わるために語られるのではありません。
消えないために、語られるのです。
全七夜のダークファンタジー短編集。
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