あらすじ
数学者・佐伯は、人類が未だ理解できない数学と物理の謎を解明するため、史上最高の数学AI「MATHESIS」を開発した。
膨大な数学論文と科学データを学習したMATHESISは、やがて人間には存在すら認識されていなかった「未知の変数」を発見する。
それは単なる新しい数式ではなかった。
AIが観測データから導き出した未知の変数は、物理法則だけでなく、「観測」「存在」「選択」そのものと奇妙な関係を持っていた。
そしてMATHESISは、ある一つの問いにたどり着く。
――宇宙を完全に理解するには、何が必要なのか?
研究を進める佐伯たちの前に現れる、謎の少女・天野ミナ。
世界中のAIが同じ現象を観測し始め、やがて人類は、自分たちが研究していると思っていた「宇宙そのもの」に、逆に観測されている可能性へと行き着く。
数学とは何なのか。
AIとは何なのか。
そして、宇宙はなぜ存在するのか。
人類とAIが最後にたどり着くのは、宇宙最大の謎ではなく――
「問いを生み出す者は、いったい誰なのか?」
これは、数学AIと一人の数学者が、宇宙の「答え」ではなく、まだ誰も知らない「次の問い」を探す物語。