あらすじ
フランス王妃マリー・アントワネット。熱狂する群衆の悪意の中、断頭台の露と消えた彼女は、次に目を覚ますと見知らぬ異世界の戦場に立っていた。
周囲は悍ましい魔王軍の大軍勢に完全包囲され、今にも全滅しそうな騎士団の姿。しかし、血に飢えて迫り来る群衆の怒号を前に、マリーの瞳に宿ったのは恐怖ではなく極寒の威厳だった。
「また私を群れで囲み、辱めて処刑しようというの……? パンがないなら、ギロチンで散らせばいいじゃない!」
理不尽な暴徒への静かなる怒りが、固有権能『断頭台の威厳(レグナム・ギロチン)』を覚醒させる。向けられた殺意と敵の数に比例して威力が跳ね上がるその力は、不可視の断頭刃となって空間ごと魔王軍を両断。天から降り注ぐ圧倒的な光のギロチンが、瞬く間に数万の軍勢を崩壊させていく。
凄惨な血の雨が降る戦場の中、扇を片手にドレス姿で優雅に微笑む彼女を、救われた騎士たちは「救国の戦乙女」として狂信的に崇め始める。
「私はただ、静かに美味しい紅茶とお菓子を楽しみたいだけなのに……」
自身を害する者には一切の容赦なし。圧倒的な気品と不可視の刃で蹂躙する、悲劇の王妃の優雅で無慈悲な無双ファンタジーが今、幕を開ける。