あらすじ
A.D 2170――
中国・ハルビン。
荒廃した街の地下には、法も正義も届かない暗黒街が広がっていた。
黒社会を支配する組織《黒衛(ヘイウェイ)》の一員として生きる、17歳の少年――周天志(ジョー・ティンチ)
彼が望むものは、富でも権力でもない。
幼い頃から自分を育ててくれた姉・沈月(ユエ)と共に、この街を抜け出し、ただ静かに暮らすこと。
それだけだった。
しかし、黒衛の支配は街の隅々にまで及び、逃亡者を決して許さない。
そんな絶望の街へ、救援物資を積んだ宗教組織《シンファ》の一団が現れる。
その頃、街頭の巨大モニターでは、国家に背いた少年――リウ・クロンの逃走が連日報じられていた。
世界を敵に回してなお、何かを求めて走り続ける少年。
その姿に、ジョーは自分でも気づかぬまま、己の願いを重ねていく。
この暗闇から逃げ出せるのか。
姉と二人で、まだ見たことのない“ソラ”へ行けるのか――
これは、英雄の物語ではない。
閉ざされた世界の中で、たった一人の家族を守り、自分だけのソラを目指した少年の物語。
それでも人は、それぞれの天を求めて翔ぶ。