あらすじ
ミモザ第三王女と、グレゴリー公爵家の子息カイン。
二人はいつか結婚するのだと、ミケリア――愛称ミッケはずっと信じていた。
八歳の頃、王立魔導アカデミーで出会った三人。
授業を抜け出して遊び、共に叱られ、共に笑った幼馴染たちの間で、やがてミモザとカインは互いに恋をするようになる。
ミッケはそんな二人の恋を、誰よりも近くで応援していた。
そして迎えた、十六歳になる年。
アートランティス王国の高位貴族には、ごく稀にただ一人の伴侶――《ツガイ》が現れる。
それは強大な始祖の力を目覚めさせ、王国に繁栄をもたらす奇跡。
だからこそミッケは願っていた。
もしカインにツガイが現れるのなら、それはきっとミモザであってほしい、と。
けれど、運命が選んだのは――。
ミッケだった。
愛する人がいるカイン。
そのカインを愛しているミモザ。
そして、二人の幸せを願っていたミッケ。
誰も望んでいなかった形で結ばれた三人の関係を皮切りに、その年、アートランティス王国では異常なほど多くの《ツガイ》が次々と現れ始める。
後世の歴史書に記されることになる――
『アートランティス王国の奇跡の年』が、始まった。