あらすじ
人の命はいずれも短く儚い。
平安の世。
源氏と平氏が争い、時代が大きく動こうとしていた頃。
源義経の前に、一人の美しい男が現れた。
飄々として掴みどころがなく、どこか人ならざるものを感じさせる男――童子。
これは、そんな彼が源義経、武蔵坊弁慶、そして数多くの人々と出会い、別れ、長い時を生きてきた記録である。
平安から江戸へ。
人は老い、死に、歴史の中へ消えていく。
しかし、童子の傍には、時を越えて生き続ける者たちがいた。
これは歴史書には残らなかった、ある妖と人間たちの物語。
彼らから語られた「異聞」を、私はここに記す。