あらすじ
20XX年。
日本の大企業・蒼和テクノは、ある画期的な製品を世に送り出した。
それは、人間でも動物でもない新たな知的生命体――人工生命体。
感情を持ち、言葉を理解し、自ら思考する彼らは、人間の良き隣人として設計された存在だった。外見や性格を自由に選択できるにもかかわらず価格はわずか十五万円。人々はこぞって彼らを迎え入れ、社会は急速に変化していく。
難関私立大学に通う女子大生・ユイも、その一人だった。
周囲との価値観の違いからどこか孤独を抱えていた彼女は、自分だけの人工生命体をオーダーメイドする。
そうして誕生したのが、灰色の毛並みと桃色の瞳を持つ、少女獣人型人工生命体・シフォン。
明るく人懐っこいシフォンとの共同生活は、ユイの日常を少しずつ変えていく。買い物に出かけ、食事をし、くだらない話で笑い合う。友人とも家族とも違う、不思議で心地よい時間。
人工生命体は「モノ」なのか、それとも「生命」なのか。
ユイはシフォンと過ごす中で、その答えを探し始める。
だが、その平穏な日々は長く続かなかった。
人工生命体を巡る国際的な対立は、やがて彼女たちの運命を大きく揺るがしていく………。