あらすじ
共働きなのに、家事も義母の世話も「嫁の仕事」。夫の圭介は母・麗子と一緒になって、妻の真帆を役立たずと笑っていた。
ある夜、真帆が高熱で倒れても、二人が気にしたのは自分たちの夕食だけだった。
「私がいなければ困るくせに」
そう思って耐えるのを、真帆はやめた。
離婚届と百八十七件の証拠を残し、彼女は家を出る。すると、完璧に回っていた家庭も、順調だった夫の仕事も、義母の優雅な老後も、音を立てて崩れ始めた。
けれど真帆はもう振り返らない。
だって、他人の不幸を見張るより、自分の幸せを育てるほうが忙しいから。