あらすじ

俺はハルグレイヴ。 俺は、絆が見える。 世界に一人しかいない絆術師〈アルマー〉。 絆は、人と人を繋ぐ見えない糸。 一目でどんな人間か分かる。 青い糸は、仲間・友達。 銀の糸は、家族・信頼。 緑の糸は、師弟関係。 金の糸は、利害関係。 そして赤い糸は、恋人同士を結ぶ運命の糸。 ただし――自分の絆だけは見えない。 自分のためには使えない。 そういう力だ。 人はそんな俺を、 “絆視〈けいがん〉”と呼んだ。 そんな俺はある日、美しい絆を持つ女性に出会う。 憎しみや敵を表す黒い鎖は一本もなく、 色とりどりの糸が彼女を守るように包んでいた。 まるで、虹の衣をまとっているかのように。 彼女の名前はアンジェ。 後に勇者と呼ばれる少女だった。 その隣には、彼女と赤い糸で繋がる重騎士アラン。 絆に導かれるように、俺たち三人の旅が始まった。 やがて天才魔法使いテスラ、因縁の相手である僧侶リリアと出会い、俺の仲間は増えていく。 騎士国家ガリア。 魔法国家コーレル。 神聖国家ロラン。 三つの大国が支配する、このイシュバーン大陸には―― 存在だけが知られ、 誰も見たことのない魔王がいた。 記録にも、記憶にも残らない。 誰も、魔王を覚えていない。 関わった者は、すべて消える――? 人々は、その存在を「忘却の魔王」と呼ぶ。 そして俺は気づいてしまった。 この世界から消された“何か”が、 俺の視る絆の中にだけは、確かに存在していることに。 絆術〈アルム〉を頼りに、俺たちは魔王を追う。 絆を視る力は、人を救うのか。 それとも、暴くのか。 それぞれの想いと絆が絡み合う中、 俺は仲間と共に、世界から消された“真実”へと踏み込んでいく。

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カクヨム
カクヨム2026/08/30
  • 現在の作品誰も魔王を覚えていない―絆視〈けいがん〉のハルグレイヴ―