あらすじ

三十四人が召喚された。三十三人が、名前を呼ばれた。 黒崎蓮の鑑定結果は、職業《バーサーカー》。固有能力欄は空白。魔力ゼロ。 「ハズレだ」——王のその一言で、蓮は誰も生きて戻らない森へ捨てられた。 十二日目。森の奥で、蓮は見えない壁に行き当たる。 向こうに誰かがいる。そう思って、叩いた。何度も叩いて、額をつけて頼み込んだ。 壁が、消えた。 立っていたのは、裸足の少女だった。黒髪に、赤い瞳。 掠れた声で、こう言った。「うるさい」「帰って」 ——彼女は、五百年を生きた真祖ヴァンパイア。全ヴァンパイアの始祖。 心臓を潰されても再生し、誰にも殺せない。 だからこそ、自分の犯した過ちの報いを受けることもできなかった。 二度と誰にも会わないと決めて、結界を張り、血を断ち、いつか終わる日を待っていた。 その決意は、血の匂いのする人間ひとりで壊れた。 目を覚ました蓮の下には、枯れ草が丁寧に敷かれていた。 「地面が、冷たいから」 死ねない少女と、捨てられた男。 やがて彼女は、彼にだけ、あることを言うようになる。 「……守って」

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カクヨム
カクヨム2026/08/30
  • 現在の作品最強の真祖ヴァンパイアは、ハズレ職に守られたい