あらすじ

「敵兵四十三名を排除。作戦成功」 報告書に、彼らの名前を書く欄はなかった。 連邦軍の兵士ユリウス・レインは、戦場で一人の帝国兵を撃ち殺す。 顔も知らない。 名前も知らない。 覚えているのは、その男が落とした水筒だけだった。 一方、帝国軍第四十二撤退支援隊。 軍人としては落ちこぼれで、じゃがいもが大好きな二等兵ノア・ベルンは、仲間たちとくだらない話をしながら「またみんなで飯を食えたら」と笑っていた。 二人はまだ、互いの存在を知らない。 やがて戦場で交差する、連邦と帝国。 名前も知らずに殺し合っていた兵士たちは、少しずつ「敵」の向こう側にいる人間を知っていく。 しかし―― 敵の名前を知っても、戦争は終わらない。 相手にも家族がいる。 帰る場所がある。 明日の予定がある。 それでも、撃たなければ自分の仲間が死ぬ。 これは英雄の物語ではない。 敵と味方。 そのどちらにも名前があったことを知ってしまった、兵士たちの戦争群像劇。

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カクヨム
カクヨム2026/08/30
  • 現在の作品俺たちは、敵の名前を知らなかった