あらすじ
北海道・道北。
旭川から少し離れた、山の近い小さな街。
街の外れ、人の暮らす場所と深い森との境目に、一軒の店がある。
昼は『喫茶 こもれび』。
夜は『小料理屋 おぼろ月』。
店を営むのは、魔女の孫・水森美月と、その祖父・朔太郎。
珈琲を飲みに来る近所の人。
仕事帰りに愚痴をこぼす会社員。
山からやってくる、人ならざるもの。
そして、森の奥にある小さな国から訪れるコロポックルたち。
この店で交わされるのは、他愛のない世間話ばかりではない。
仕事のこと。
家族のこと。
人と人ならざるものが共に暮らしていくこと。
そして、長いあいだ人との関わりを閉ざしてきた、小さな国のこれから。
すぐに答えが出ることばかりではない。
それでも、温かいものを食べて、少し話して、ときには違う世界の誰かの言葉を借りることで、昨日よりほんの少し前を向けることもある。
人も、人ならざるものも。
ここでは、みんな同じお客さま。
街と森の境目にある小さな店から、少しずつ二つの世界がつながっていく。
ちょっと不思議で、おいしくて。
ときどき、少し現実的な物語。
※本作はカクヨムにも掲載しています。