あらすじ
1774年、イングランド。
17歳のエドワード・ヘイルは、古い男爵家グレイミア家の跡取りとして育ってきた。
しかし17歳の誕生日、彼は初めて家の内情を知る。立派な屋敷と広い領地を持ちながら、グレイミア家には1万5,000ポンドもの借金があり、自由に使える現金もほとんど残っていなかった。
エドワードが自分の持ち物を売り、母から受け取った金を合わせて用意できた元手は、わずか25ポンド。
やがて姉を頼ってロンドンへ出た彼は、貴族たちの夕食会で飛び交う借金、結婚、情事、政治の噂が、新聞や小冊子に姿を変えて売られていることに気付く。
土地がなくても、情報は売れる。
現金がなくても、信用があれば金を動かせる。
そして戦争が始まれば、危険そのものが巨大な商機になる。
出版、金融、海運、軍需、土地、そして大西洋へ。
25ポンドしか持たなかった男爵家の少年が、金と信用と情報を武器にジョージア朝イギリスを駆け上がっていく。
これは、やがて自ら船長として海へ出て命まで賭けることになる青年が、巨万の富と名声を手にしながら、「富とは何か」「紳士とは何か」「権力とは何か」を知っていく成り上がり物語である。