あらすじ
「あのー……」
「えっ」
ふと足音が近づいてくるのに気づき、顔を上げた瞬間だった。背中を丸めた一人の男が、おずおずと声をかけてきた。
「すみません。火曜日の人ですよね?」
「……火曜日の人?」
「あ、ああ。あの、いつも火曜日にこの公園に来られていますよね?」
「え、あー……んー?」
おれは首を傾げ、それから周囲を見回した。
この公園を見つけたのは先月の夜だった。仕事帰りに、いつもとは違う道を歩いてみた。その日は仕事でそこそこ大きなミスをしてしまい、まっすぐ家に帰る気分になれなかったのだ。